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第78回 2008/05/01
ゴジュウカラ

コジュウカラ
ゴジュウカラ

(76) ゴジュウカラ 
    「スズメ目ゴジュウカラ科ゴジュウカラ属」
    英名: Eurasian nuthatch
    学名: Sitta europaea
    漢字名: 五十雀
    大きさ:13.5cm


ゴジュウカラ:ユーラシア大陸全域に生息する留鳥です。平野部からそれほど高くない山林、それも広葉樹林帯に生息します。この鳥の特徴はなんと言っても木の幹に取り付いたその動作にあります。

樹木の太い木の幹に取り付き、上下左右に自由闊達にかなり素早く動き回って、樹皮の間にいるクモや昆虫などの餌を探し回ります。登って行くときはもちろん頭を上にしますが、下がるとき木の根元に頭を向け下がることもできます。他の鳥のように、後ずさりで下がることもできますが、ゴジュウカラは頭を進行方向へ向けて下がる事の方が多いようですし、このような下がり方ができる、木の幹に取り付く他の鳥(他のカラ類、キツツキ類)は他にいないようです。また横向きに取り付き頭を幹と直角にし、上下左右を覗うさまは、ほほえましいものがあります。下の写真をご参照ください。

 
イソヒヨドリのメス2
ゴジュウカラ

タイトルの写真でも、上の写真でもお判りのように、頭から背中にかけて青みの強い灰色、またとがった先端が上向きに反っているように見える黒い嘴とつながって、黒い過眼線が明瞭です。この過眼線の下部、顔は白く、白いお腹の脇は橙色です。ところが、このゴジュウカラの亜種といわれます、北海道特産の「シロハラゴジュウカラ」(学名:S.europaea asiatica)には、わき腹の橙色の部分がありません。また背中の青味もゴジュウカラよりは薄く、下尾筒の褐色部分もかなり狭まっています。一見まったくそっくりですが、よく観察しますと、本州産とは異なっていることが判ります。下の写真をご覧下さい。

シロハラゴジュウカラ
シロハラゴジュウカラ

木の幹を中心に動き回りますので、「きまはり」とか「きめぐり」、「きねずみ」といった異名もあるようです。昆虫やクモなどが豊富な春から夏にかけては、動物性の餌を中心に採りますが、冬場は木の実も捕食する雑食性です。上のシロハラゴジュウカラは、地面に落ちた木の実を探している最中のワンカットです。

「鳥名の由来辞典」(柏書房)によりますと、シジュウカラに似ていることから「ごじうから」や、異名「はちじゅから」がつけられたのであろうと解説されています。これを裏付けるかのように、小林一茶はこうよんでいます。

  むづかしやどれが四十雀五十雀

ゴジュウカラは夏の季語ですが、今日ではそれほど簡単に見つけることは出来ません。しかし、江戸時代までは、シジュウカラと間違われるほど山郷や平野部に普通に見ることが出来たのでしょう。

  五十雀ふくらみて雲となり  柚木ぽぴい

ゴジュウカラの青味を帯びた灰色の背中と白い腹部のコントラストを雄大に歌い上げたように感じられます。広葉樹林帯に入られることがありました、比較的太い幹を見上げてみてください。幹の周りをたくみに動き回るゴジュウカラに出会えるかもしれません。



 

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