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ホーム/コラム/徒然野鳥記/第76回イソヒヨドリ
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第76回 2008/03/01
イソヒヨドリ

76-1-300
イソヒヨドリ

(74) イソヒヨドリ 「スズメ目ツグミ科イソヒヨドリ属」
    英名: Blue Rock-Thrush
    学名:Monticola solitaries
    漢字名: 磯鵯
    大きさ:23cm



イソヒヨドリ:全国の海岸、それも主として岩場に生息する留鳥、もしくは漂鳥です。ただ北海道では、夏場に南からやって来る夏鳥といえます。山間部にお住まいの方にはなじみが薄いかもしれませんが、沿海部にお住まいの方にとっては、決して珍しい野鳥とはいえません。どういうわけか、砂浜で見かけることはありません。昨今では、市街地でも観察されるという情報がありますが、残念ながら私は海辺でしか見かけたことがありません。日本では海辺の岩場に住んでいますのでこの名前が付きましたが、ユーラシア大陸ではヒマラヤ山脈に、アフリカ大陸ではアトラス山脈の標高の高い岩場に生息しているようです。英名のRock-Thrush(=岩つぐみ)は、この生息環境から付けられたものでしょう。

大きさ、形とも「ヒヨドリ」によく似ていますが、ヒヨドリ科ではなく、ツグミ科に分類されています。その点では、英名のほうが学術分析的には正確です。また、英名に、Blueとありますように、頭部、喉から背中にかけて鮮明な青色をしています。コバルトブルーといっても良いかもしれません。また腹部から下尾筒にかけては、レンガのような赤褐色をしていますので、遠くからでも良く目立つ派手な色彩バランスをしています。上の写真をご参照下さい。ただこれはオスだけの特徴で、メスは全体として茶褐色をしています。よく見ますと両喉部から背中、腹部にかけてうろこ状の模様が入っています。また肩には「ヒヨドリ」を思わせるような青味が入っています。下の写真左は、若いメス、右は成鳥メスです。

イソヒヨドリのメス1 76-2-300

ヒヨドリは、波型の軌道を描く(数回羽ばたくと翼をたたんで滑空する)独特の飛行をとりますが、それに比べますとイソヒヨドリの飛び方は比較的に直線的です。また、数羽単位の群れを作ることの多いヒヨドリにたいして、イソヒヨドリは、単独若しくは番で行動します。また、地上では、ウォーキング(二足交互歩行)とホッピング(二足跳び)の双方で動くことができます。餌は、ミミズやゴカイなどの動物質が中心のようですが、冬期には種子や果実も採りますので、雑食性といえます。

この鳥の特徴のひとつは、オス、メスともに囀ることです。下のURLで、イソヒヨドリの囀りを紹介しています。残念ながらこのURLでの囀りが雌雄どちらのものなのか私には判断できません。また、一般的には、多くの野鳥が繁殖期間に囀る(オスのみ)のですが、このイソヒヨドリは、非繁殖期間でも天候のよい条件では囀りが観察されています。ところでこの鳴声、オオルリに似ていると思えませんか。最初に聞いたとき、何でこんな季節はずれの冬の海辺にオオルリがいるのかと訝しく思ったものです。

http://midopika.cool.ne.jp/songs/isohiyo.html

イソヒヨドリは夏の季語です。

磯鵯や諸鳥いまだ加はらず 森田峠  

下左は、まだ若いイソヒヨドリのオスです。栄養状態が良いのでしょうか、ちょっとずんぐりしています。右は、成鳥オスで、子育ての最中です。山間部にお住まいの方は、海辺の岩場に出てこられる機会がございましたら探してみてください。コバルトブルーのオスがあなたを待っているかもしれません。

イソヒヨドリのオス1 76-3-300


注:写真は、画像上をクリックすると拡大します。


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