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ホーム/コラム/徒然野鳥記/第126回オオセグロカモメ
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第126回 2012/5/01
オオセグロカモメ
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オオセグロカモメ

124)オオセグロカモメ 「チドリ目カモメ科カモメ属」

    英 名:Slaty-backed Gull
    学 名:Larus schistisagus
    漢字名:大背黒鴎
    大きさ:60cm

国内では特に冬、多くのカモメの仲間が沿岸部にやってきます。国内で見ることのできるカモメのうち、国内で繁殖しているのは、ウミネコと今回ご紹介するオオセグロカモメだけです。分布域は中国東北部、ロシア南東部、朝鮮半島、日本列島で、極東アジアの野鳥なのです。よく似ているセグロカモメモは、国内では繁殖しませんし、生息圏は北アメリカ大陸とユーラシア大陸の北部と広範囲に及びます。

ウミネコと同様、オオセグロカモメもコロニーを形成し繁殖活動をします。特に北海道大黒島(厚岸町)のコロニーは有名で、その数3万羽を超えるともいわれるほどです。日本で普通観ることのできるカモメを、その大きさから区別するいい方があります。40㎝前後のユリカモメやズグロカモメは小型カモメ、45㎝ほどのウミネコは中型カモメ、そして60㎝前後のこのオオセグロカモメやセグロカモメは大型カモメとされています。

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他の野鳥の多くと同様に、オオセグロカモメも繁殖期の夏羽と越冬期の冬羽はかなり異なり、明確に換羽します。タイトル写真は、ウトナイ湖で3月に撮影したものですが、完全な夏羽です。オオセグロカモメは換羽の時期が比較的早いといわれています。夏羽では頭部が真っ白で、濃い青色の背中やピンクの脚とのコントラストがとてもきれいに見えます。上の写真は1月の苫小牧港で、冬羽です。頭部に褐色の斑が不規則に多く入っています。夏羽の真っ白な頭部だけをイメージしているとまったく別種にさえ見えます。

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大型のカモメは寿命が20年を超えるものが発見されてきています(脚に識別の環を付けて観察する、バンディング調査による)。長寿命な野鳥です。そのせいでしょう、成鳥となるのに4年間かかるといわれています。夏に生まれた雛は、最初の冬を迎えるまでの時期を幼鳥期、その状態を幼羽と呼びます。最初の冬の状態を第1回冬羽、そして翌年の夏を迎えると第1回夏羽と呼ばれます。上の写真はいずれも銚子港で撮影したものですが、左が第1回冬羽、右が第1回夏羽のオオセグロカモメです。いずれも嘴は全体として黒、脚は薄いピンク色です。夏羽では体色がずいぶんと白くなってきます。

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真っ黒だった嘴は、次第に黄色くなり、先端部だけが黒く残ります。上は第2回冬羽のオオセグロカモメです。まだ尾には褐色の斑が残っています。通常、カモメの尾に黒い斑が入るのはウミネコだけといわれますが、それは国内で見ることのできる成鳥のカモメの仲間に対していえることです。むしろ、カモメの仲間の幼鳥には、オオセグロカモメだけでなく、ユリカモメ、セグロカモメ、ミツユビカモメ、カモメなどにも幼鳥期には尾に黒い斑が入るので、この点は注意が必要です。第3回と第4回の羽の様子は今回は割愛します.

カモメの仲間のある種類をを全体として分かろうとするには、幼鳥期と第1回から4回までの夏冬の羽、そして成鳥の夏冬の羽と、合計11段階での異なった表現があることを理解する必要があります。カモメの仲間の識別が容易ではないこと、意外と奥が深く、それゆえに大変面白いことがお分かり頂けると思います。

また、カモメの観察に尽力された、氏原巨雄・道昭共著の「カモメ識別ハンドブック改訂版」(文一書房)は、カモメの観察にはうってつけのガイドとしてお勧めします。

 

 

(注)写真は、画像上をクリックすると拡大できます。

 



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