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第44回 2004/6/01

当社サービスセンターを5月31日より移転いたしました。同じ、さいたま市内ではありますが、従来の、車の往来の盛んだった旧国道16号線沿いの西区(旧大宮市)から、通称中尾神社の境内とも見まがう木々に囲まれた閑静な南区・大谷口(旧浦和市)へと移動いたしました。わずかばかりではありますが、より広いスペースと、より集中できる業務環境を整えることによって、少しでもきめ細かいサービスをご提供できればと願っております。IP電話番号に変更はございませんが、FAX番号は変更となっておりますので、 「サービスセンター」欄をご参照ください。

さてこのサービスセンターからそれほどは離れていない場所にある見沼田圃でも例年のごとく5月下旬カッコウが鳴き始めました。また5月27日、当社の中国工場(広東省東莞市)へ出張するにあたり、成田空港まで出かける際、久しぶりに停車した東関東自動車道の酒々井サービスエリアで、ホトトギスのすんだ鳴き声を耳にすることができました。これから梅雨を経て夏に向かう季節感を強くいたしました。

今回の中国出張では、成田空港と広東省の広州白雲国際空港を往復するルートを初めてとりました。通常ですと、往路では広州空港に入っても、帰路は一旦香港へ出て、取引先のある台湾経由で帰国しておりましたが、今回は月末でもあり帰国を急いでいたためです(ご存知のように、中国大陸部と台湾を直行する定期航空便は今のところありません)。このルートですと、入出国の手続きが、到着時、出国時のそれぞれに一度で済みますので、(香港経由の出国の場合、一旦中国を出国、香港へ入国、さらに香港から出国という3度の手続きが必要。入国時も同様となります)香港経由よりもこの直行便を選ぶ日本人旅行者、とりわけ業務渡航者が次第に増えているのもうなずけます。

最近中国、所謂華南地区で目立ってきたことのひとつに、著しく悪化してきた交通状況があります。従来、広州空港から1時間ほどで到着できた東莞市、長安の工場まで、2時間以上掛かることとなってしまいました。拡大を続ける中国経済の下、一般家庭生活者の間での小型乗用車の普及が目覚しくなった。それに加えて、拡大化する経済に見合って従来の大型業務用トラック、コンテナー配送用トレーラーも増加、更に中国内部から集まってくる労働者が増えるのに対応して増え続ける大型、小型のバス、オートバイ、自転車、リヤカー。交通法規と交通条件の双方の整備が現状についていけないことに加えて、通行モラルが著しく低いこともあり、一日に何度かの交通事故を目撃することさえあります。

二つ目の問題は、電力供給が逼迫してきていることです。長安地区では、週に2日間(月曜日と木曜日)は、電力供給が保証されません。従って多くの工場や企業、店舗では、自家発電装置を設置し、自己防衛しているのが現状です。交通整備と電力供給の二大問題をどのように解決するかが問われている状況では、なかなかそれ以外の付帯的な問題、例えば環境問題へのアプローチへとは簡単に為政者の関心も進みそうには思われません。しかしここは中国です。とんでもない解決方法を見出すかもしれません。

多くの方はご存じないかもしれませんが、1970年代から80年代のかなり後期まで、中国での音楽再生装置としてのシステムは、モノラルが主流でした。1982年だったと記憶しますが、その当時中国で最も進んでいるといわれた上海のレコードプレーヤーメーカーに視察に出かけましたが、カートリッジは全て鉄製針を使用したモノラルタイプでした。ラテン語で二つを意味するところから付けられた、左右の両チャンネルを同時に録音再生し、臨場感を出そうとした「ステレオ」の時代は、中国では存在しなかったのです。ところが、1980年後半から90年代にかけて、CDプレーヤーが一旦普及し始めるや、MMやMCカートリッジを使用したステレオの時代を一気に飛び越えて、ステレオCDの時代へと飛躍したのです。

つまり、モノラルレコード再生装置、蓄音機から、ダイヤモンド針を装着したMMやMCカートリッジを使用したステレオレコードプレーヤーの時代を経過することなく、一挙にステレオCD時代を迎えた次第です。さらに、日本の初期カラオケ時代に愛用されたCDG(字幕だけのCDグラフィック)を飛び越えて、日本では普及することのなかったVCD(動画のビデオCD)へと進み、いまだにDVDと並存している状況です。各国の状況はこうして必ずしも同一、均一に進んでいくものではないことがこのことからも判ります。

早朝から、深夜に至るまでの生産、出荷、搬送活動を、当社のパートナーである工場で目の当たりにしますと、そのバイタリティに圧倒される思いです。古きよき時代の日本での生産活動は、既に先端的な国内の大企業が実施しているように、その方法と手段全てを見直さなければならないのも時代の必然なのでしょう。

最後に、当社のパートナーであるこの工場では、経験ある電気設計技術者及び品質管理者を広く募集しております。年齢は問いません。但し、広東省東莞市長安勤務となります。英語若しくは中国語(北京語)のおできになる方、若しくは、今はそれほどの語学力はなくとも、その勉強をされる意欲のある方が対象となります。詳細は、当月中に当社のホームページで説明する予定です。