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第11回 2001/8/31

気象庁開設依頼という猛暑であったこの夏も終盤を迎え、ツクツクホウシの声も 聞こえ始めました。夏休みを終えられる学生さん方には、足早に過ぎ去ったこの夏の感傷に浸るまもなく、新学期の準備に慌て始められているのではないでしょうか。また、不景気を煽り立てられ、きわめて「経済的な」夏休みを余儀なくされたご同輩諸氏も、体調の整備に余念のないことと存じます。

この7、8月の2ヶ月間、決して自慢できることではないのですが、延べにして30日間海外に出張しておりました。海外滞在中に、何通かのメールを頂きましたが、内容によりましては日本にいませんと回答できないご質問も有り、当社スタッフに回答を依頼したり、帰国後回答させていただいたり致しましたが、もし、「なしのつぶて」になっていらっしゃる方がございましたら、誠に申し訳ないことですが、再度ご連絡をいただけますようお願い申し上げます。

気候との関係で、それぞれの地域での常識の違いで、あらためて気付いたことがありました。当社のメーカー様向け製品の生産拠点が中国、広東省東莞市にあることは以前にも書いたことがあります。この地域でのエアコンは、所謂クーラーで、暖房は効きません。暖房を必要とするような、摂氏10℃を下回ることが真冬でも極めて稀であり、その必要がないせいでもあります。

香港でこのボーダーを下回りますと、路上生活者の一部には、翌朝目覚めない人数が10名を超えるという事故も耳にしたことがあります。しかしこの地域でも一年のうち2週間程度は10℃前後となり、大変寒い思いをします。それでも暖房器具に頼ることなく、厚着で凌いでいる方が殆どのようです。

他方で、夏に香港へ観光にいかれる方には、長袖の上着を持参することをお奨めしております。外気はとても蒸し暑いのですが、レストランやホテルに入りますと、私たちにはとても寒くてたまらないほど「クーラー」が強烈に効いております。どうぞお気をつけ下さい。

他方で、これまで気付かなかったのですが、北部ドイツでは殆どエアコンが装備されていません。その必要があまりないほど夏は涼しいせいでしょう(冬は主に重油を用いたセントラルヒーティングシステムが採用されています)。ところが今年は、7月下旬から8月初旬にかけて、珍しく30℃を上回る日がありました。ホテルのフロントに連絡して初めて知らされた次第です。

さて、この8月初旬に、CECの欧州での主だったディストリビューター(各国の輸入総販売代理店)にハンブルグに集まってもらい、新製品、特に純クラスAアンプであるAMP71の発表会を持ち、引き続いてドイツのオーディオ雑誌社に対して、製品紹介を致しました。

AMP71の醸し出す音楽には、一堂驚嘆の様子でしたが、同時に何点かの要請がありました。ひとつは、このコントロール機能付(入力セレクター、ボリュームコントロール)のLEFパワーアンプの多様化。即ち、ホームシアター対応のマルチアンプ化と、現在200ワット/8Ωの廉価バージョン(例えば80ワット/8Ω)の開発。

前者は、ホームシアターの普及がかなり進みつつあるフランス、スペインから、後者はドイツから強い要請がありました。また2番目には、CECのシステムの完成上、チューナー開発の依頼に根強いものがあったことは驚きでした。所変れば品変わると申しますが、日本の市場からはあまり聞こえてこないこうした「声」を大事にして、過去にとらわれることなく、新たなCECを徐々に育てて行きたいという思いを新たにした、ハンブルグでのエキシビションでした。

猛暑も過ぎ去りつつあります。次第に季節のうつろいは芸術を目覚めさせてくれます。この秋、CECの新製品、AMP71で音楽の新しいステージをお楽しみいただけるよう、目下奮戦中です。どうかご期待ください。