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ホーム/コラム/徒然野鳥記/第13回ジョウビタキ


第13回 2002/12/30
ジョウビタキ
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(12)ジョウビタキ「スズメ目ヒタキ科」
    英名:Daurian Redstart
    学名:Phoenicurus auroreus
    漢字表記:尉鶲、上鶲、常鶲
    大きさ:14cm     

秋から冬への移り変わりを告げる代表的な、また、身近な里まで来てくれる野鳥。それがジョウビタキです。当社の横の民家の庭に来たのは、今年(2002年)は10月23日のことでした。

ほぼスズメと同じ大きさ。オスは、黒い翼に目立つ白斑(次列風切基部)、胸は鮮やかな橙色、顔から胸は黒、そして頭頂部は銀色にも思える灰白色。また、小枝などに一旦止まりますと、尾を小刻みによく上下に動かします。遠くから一目見ただけでも、その色合いや仕草から、「あ、ジョウビタキだ」と識別できます。個人的には、メスの落ち着いた色彩感覚が好みです。

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ジョウビタキ♀

メスは、全体的に地味。格調高く見える、オリーブ色味を帯びた灰褐色の頭、背、そして肩。翼は、褐色味がそれらより強く、オスより少し小さめの白斑が同様にあります。胸部はごく薄い橙色、胸の中心部は白く見えます。雌雄ともに羽に目立つ白斑があるところから、地方によっては、「モンツキ」または、「紋付鳥」とも呼ばれているようです。

ジョウビタキの、接頭語のジョウとは翁の意味で、オスの頭部の白い部分を、銀髪に見立てたものと言われています。ヒタキとは、「火焚き」のこと。これはジョウビタキが短い距離を飛び回る際に、火にも見える濃い橙色の尾羽をぱっと開く様から由来しているとも、「カッ、カック」と鳴く声が、火打石を打ち合う音に似ているからともいわれています。「カッ、カック」以外に、時として、かなり高い周波数で「ヒッ、ヒッ」とも鳴き交わしています。

日本には、北部アジアから越冬に渡ってくる典型的な冬鳥で、越冬の期間には、オス、メス夫々にナワバリを持つようです。一旦縄張りを持つと、そのあたりをあまり離れないようですし、人家に近い場所でも意外と簡単に見かけることのできる、身近な冬鳥です。

俳句では、ヒタキが秋の季語。

 
山寺の石の苔はむひたきかな  中勘助

注:写真は、画面上をクリックすると拡大できます。