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タイトル


第12回 2002/10/17
モズ

mozu300
(11)モズ「スズメ目モズ科」
    英名:Bull-headed shrike
    学名:Lanius bucephalus
    漢字表記:百舌、百舌鳥、鵙
    大きさ:20cm    

秋です。秋を代表する草花が花を咲かせ、実を結ぼうとする頃、「モズの高鳴き」が情緒を添えます。甲高い、キキキー、若しくはキチキチキチとも聞こえる鳴き声が、平野部のあちらこちらで聞こえてきます。産卵、育雛を終え(2〜8月)、厳しい冬を迎える直前のこの時期、雌雄はそれぞれにナワバリを主張し始めるのです。

今年、埼玉県さいたま市見沼田圃で初めて「高鳴き」が聞けたのは、9月2日と例年より10日間ほど早めでした。オス・メスの区別は、容易です。眼を横切る過眼線が黒く、灰色をした羽に白い斑点を持つオス、過眼線は、茶色、羽も茶色が強く、腹部に横に流れる小さいいくつもの線を持つメス。高いところから低くゆっくり滑降しては、また、目立ちやすい高い柵の上や、木の天辺に止まる事が多く、多くのアマチュアカメラマンの方々にとっては最も撮影のしやすい野鳥ともいえます。

カマキリ、バッタといった昆虫にとどまらず、鋭い嘴でトカゲ、カナヘビ、カエルをも捕食し、最小の猛禽鳥でもあります。時として、こうした生きた餌をとげを持った樹木、または、鉄条網の先に突き刺す「はやにえ」行為は、よく知られたところ。一旦保存した乾燥餌を食する場面を見たことはありませんが、目撃談もこれまで聞いたことがありません。

mozumesu   mozuosu
モズ♀
 
モズ♂

普通は、他のモズと見間違うことはないのですが、繁殖期直後は、羽縁が擦り切れ、上面が著しく灰色に見える一時期があります。この頃見かけますと、議論を呼ぶことになります。オオモズの小さい固体と見間違いました。別の方は、タカサゴモズではと一瞬目を輝かせたようですが。いずれも、モズよりほぼ10cmも大きい種類です。

モズは、俳句では秋の季語。多くの句が読まれています。

 
草茎を失ふ百舌鳥の高音かな   蕪村
鵙なくやむら雨かわくうしろ道  一茶
朝鵙に掃除夕鵙に掃除かな    高浜虚子

注:写真は、画面上をクリックすると拡大できます。