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ホーム/コラム/徒然野鳥記/第36回カシラダカ


第36回 2004/11/01
カシラダカ

kashiradaka300
(34)カシラダカ「スズメ目ホオジロ科」
    英名:Rustic Bunting
    学名:Emberiza rustica
    漢字表記:頭高
    大きさ:15cm     

なんとも地味な野鳥です。日本野鳥の会の発行する月刊誌「野鳥」の最新号(2004年11月号)の表紙を飾っています。そこでも「地味な鳥に市民権を」というテーマであると述べられているほどに奥ゆかしいのです。

ホオジロの仲間で、地方によっては既にこの時期、遠いユーラシア大陸北部から飛来しているかもしれません。ホオジロが渡りをしない留鳥であるのにたいして、冬場にだけ日本列島各地に訪れる旅鳥です。ちなみに上記の「野鳥11月号」では、ムラサキシキブの実のなる秋にやって来ることから、ムラサキシキブにとまる図を描いています。

大きさはスズメと同程度、ホオジロより幾分か小さめ。背中が茶褐色で決して派手な色合いではないことから、意外と皆さんの目にとまっても、スズメやホオジロと見なされ、記憶されることが少ないかもしれません。注意してみますと、冬場の山里では普通に見かけることが出来ます。わずか数羽で群れを作ることも、また100羽以上のかなり大きな群れを作ることもあります。地上に降り立ち、既に枯れた草の実や、地表に散らばる実を啄ばみます。名前の言われどおり、頭頂部に冠羽があり、この部分が黒く、特徴的です。スズメにもホオジロにもこうした冠羽はありません。

また、腹部が真っ白で、その部分が薄い褐色のホオジロとは明らかに違います。また、カシラダカの地鳴は「チッ」「チッ」と、1声で、ホオジロの「チッチッ」もしくは「チッチッチッ」と2声や3声の連声で鳴くのとは異なります。

この地鳴の特徴を覚えておきますと、姿が見えない、草むらや、枯れ木の茂みに潜んでいる状態でも、ホオジロがいるのか、カシラダカなのかを予測することが出来ます。但し、以前にも述べましたが、1声鳴きの地声を特徴とするアオジも同じような時期に、同じような環境に渡っていますので、姿が見えるまでには、その鳥がカシラダカかアオジかといった興味も湧いてきます。(カシラダカの方が、幾分声が小さく、周波数も低いように思われますが)

下のURLでカシラダカの地鳴と囀りを確認できます。残念ながら、私はこの囀りを聞いたことがありません。春先、北への帰り支度を終えた後、少し風変わりな個体が日本でも囀るのかもしれません。
http://kochan01.cool.ne.jp/link/yatyo/kasiradaka.html

これまで調べた限りでは、この鳥を歌った俳句、和歌は見当たりませんでした。ご存知の方がいらっしゃったらお教え下さい。季語辞典では、「秋」とされているのですから有名ではなくとも何らかの句が残されているはずなのですが。カシラダカに気づかれた方、俳句に残していただけませんか。

注:写真は、画面上をクリックすると拡大できます。