White
White CEC LOGO HOME 製品 テクノロジー サービス 会社概要 コラム メール English White
White
タイトル

ホーム/コラム/徒然野鳥記/第21回カワラヒワ


第21回 2003/8/02
カワラヒワ

21
(19)カワラヒワ「スズメ目アトリ科」
    英名:Oriental Greenfinch
    学名:Carduelis sinica
    漢字表記:河原鶸
    大きさ:14.5cm     

野鳥を積極的に見るようになったきっかけがこのカワラヒワです。ある冬、木枯らしの強く吹く荒川河川敷。強い風に煽られて、止まっていた枯れ草から舞い上がり舞い降りるたびに、それまで閉じていた黒っぽい地味な羽が、開いた途端、その真ん中部分(風切り羽)にくっきりと実に目立つ黄色い線が浮かび出る様子は、まるで手品のようでした。ほぼスズメと同じような大きさの、日本全国の、高山地帯を除くどこにでも見かけることのできる野鳥です。

当初、この鳥は「キリキリ」「コロコロ」と、あたかも土笛を吹くような声で鳴くのを良く聴いたものですが、これとはまったく違う音色で、ビュイーンとかジュイーンとも聞き取れる声を聞いたときは、まったく別の鳥かと間違えるほどでした。2種類のまったく違った鳴き声が、どういう意味を持つのか、若しくは成長の度合いを物語るのか、今のところ判りません。

ピンク色の嘴、よく見ると渋い緑味(オリーブ味)を帯びた全身のうち、羽先の黄色が目立ちます。これが羽を開いたときになんとも鮮やかにこの鳥を彩ります。様々な資料によりますと、向日葵の実が好物とか。様々な野草の実をついばむ姿は良く見かけますが、向日葵との取り合わせの瞬間には立ち会っていません。この大きさの小型の野鳥には、なかなか地面に降りてこない種類も多いのですが、カワラヒワは、木や草に止って採餌するだけでなく、地面に降立って、落ち葉の下の餌を探す姿も良く見かけます。

団体行動派で、これまで見た最大のグループは300羽を超えていました。普通は、数羽から20〜30羽といった単位で行動しています。比較的冬場にグループが大きくなる傾向にあります。雌雄の相違はないとする資料もありますが、これは間違い。メスはオスに比べ明らかにより褐色味が強く、羽先の黄色もよく気をつけないと判らないほどですタイトル写真はメス、下はオスです。

  21-450  

次の句は、カワラヒワの羽の黄色の鮮やかさを見事に表現しています。

 
春の日を 黄金に透かす カワラヒワ  虚心

また、別の句で、

 
黄の紋を晒して歩く河原鶸  櫻井掬泉

注:写真は、画面上をクリックすると拡大できます。