近年、解像度や音の立ち上がりの良さ、高チャンネルセパレーションなどの優れた音質により、一部の熱狂的なヘッドフォン・ユーザーの間で、密かなブームとなってきたバランス型ヘッドフォンですが、高品質ゆえの高価格によって、使用場面も多くは録音スタジオなどプロユースに限られ、一般に広く普及するには至ってきませんでした。
CECでは、バランス型ヘッドフォンによる音楽再生のすばらしさを広く一般のユーザーに知っていただくためにも、当社の業務用ヘッドフォン「HP-53」をもとに、手の届き易い価格帯でのバランス型ヘッドフォンの開発を進め、「HP-53FB」の発売にこぎ着けることができました。完全バランス型ヘッドフォンアンプ「HD53N」との組み合わせにより、ヘッドフォンによる音楽再生に新しい世界が広がります。 ■厳密な左右ドライバーのマッチング HP-53FBは、CECのアンバランス型業務用ヘッドフォンHP-53をもとに開発されましたが、左右が完全に独立したバランス型ヘッドフォンでは、左右のドライバーのレベル合わせに、アンバランス型の倍以上の手間と時間をかけた、厳密な調整が必要となってきます。HP-53FBでは、厳密な調整の結果、左右の音圧レベルの差は、最大でも1dBを超えないように抑えられています。さらに、内部回路、ケーブルおよびマウント部分の再設計を行っているため、従来のHP-53のリファインモデルというよりは、むしろ全く新しいヘッドフォンと考えていただく方が正しいかもしれません。 原理的に高音質であることが特徴のバランス型ヘッドフォンですが、それでも音質に関しては、微妙な調整が必要とされます。高解像のバランス型ヘッドフォンの特徴として、若干高音がきつめに感じられるという欠点がありますが、この点に関しては、適所に吸音材を配置することで、改善を図っており、長時間の音楽鑑賞でも聴き疲れのしにくい暖かみのある音に仕上げています。 また、イヤーパッドに関してましても、従来モデルに比べて、厚みのあるスポンジを使用することで、装着感の改善と密着度の改良を図っています。 ■その他の特徴 ●ノイトリックス社製高級XLRプラグを使用。 ●個人ユーザーの音楽鑑賞用途に重きを置き、カールコードに替えてストレートコードを使用。装着感を改善し、長時間の使用にも疲れにくい仕様となっています。 |
HP-53FBの主な特徴
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HD53Nとセットになったフルバランスシステムはこちらです。 | (118kbyte) |