振動や電磁気的なノイズ源を徹底して遮断し、CDに記録された情報を至上の高精度で読み取るTL3Nのダブルベルトドライブ方式のメカニズム性能はそのままに、ディスク全体をホールドする直径12cmへと大型化した新設計のスタビライザーを採用。その大きくなった慣性により更に滑らかで安定した回転を実現するとともに、24bit/192kHz対応の高精度DACを内蔵して、CDプレーヤーCD3Nが新登場。モーターノイズの影響を受けない、慣性の大きい安定した回転が生み出すベルトドライブ本来の再生音の繊細な美しさに、進歩したデジタル伝送・変換技術が融合したことで、このクラスではかつてないほど美しく精緻で情報量の多い、厚みのある再生音を実現することができました。

一般のCDプレーヤーやトランスポートは、ディスク用ターンテーブルの真下にモーターが配され、モーターの軸に直結したターンテーブルをダイレクトに駆動するダイレクトドライブ方式を採用しています。しかし、制御された安定的な回転を得るためには、ある程度大きなモーターを使用する必要があり、そのモーターから発生する振動や電磁ノイズによって生じる信号の歪みから逃れることができません。

この問題を解決するために採用した独自のベルトドライブ方式では、重量級CDスタビライザーの使用によってターンテーブルの質量を上げ、慣性の力を利用することで極めて滑らかで安定したディスクの回転を実現。そのぶんモーターを小さくし、ディスクの回転軸から離れた位置に配し、遠くからベルトで駆動することで振動も吸収することができるため、音楽信号を安定かつ正確に読み取り伝送する理想的な環境を創りだすことができたのです。

さらに、ピックアップを動かすモーターも同様にノイズ源と考え、距離を置いてベルトで間接的に駆動する方式としました。

このベルトドライブ機構は、初代TL1の開発から現在まで、スピンドルだけでなく、ピックアップまで含めてダブル・ベルトドライブ方式を実現しており、これは、世界広しといえどもCECだけの構造です。

デジタルからアナログ信号への変換には、変換精度に優れたESS社の24bit/192kHz対応ハイパーストリームDAC ES9008を採用。変換後の独自のフルバランス型回路と相まって、音楽性豊かな瑞々しい再生音を実現しました。

デジタルフィルターは、周波数特性の優れたフラットと、高域での自然な減衰特性をもつパルスの切り替えが可能です。

CDプレーヤーとしてのアナログ出力は、一般的なRCA端子のほかにバランス型XLR端子も備えています。本機のバランス型回路の利点や性能を十分に引き出すには、バランス型XLR接続をお奨めします。

また、CDトランスポートとして使用するときのデジタル出力は、AES/EBU(XLR)、COAXIAL(RCA)、TOSLINK(角型光)の3系統を備えています。