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ホーム/コラム/長安からの手紙

第04回 2004/03/08

from 山崎 孝之(開発部)

暫く、長安便りを休んでしまいました。中国の旧正月も明けて、工場にも人が戻り、熱気にあふれた生産活動が再開されています。昨年来のSARS騒ぎは落ち着いていますが、今年は鳥インフルエンザの発生があり、やはり健康問題には心配な一面があります。もっとも、現地では比較的のんびりしたもので、鶏肉料理を避けるなどの事はまったくありません。中国の鳥料理では北京ダックがあまりにも有名ですが、広東省では一般的に蒸して冷たくした身を薄切りにしたものが多く食べられています。もっと庶民的なものでは、鳥の脚(鶏の脚)を蒸したものを串にさして売られています。おやつとして、これにかぶりつきながら町を歩く若者の姿が良く見られます。また、皿に山盛りされたものに数人のグループで手を出し合って齧っている風景も見られます。街中は、一年中殆ど緑の街路樹が、2月だけ茶色になります。3月に入って、其の茶色の枝先に新緑の芽が見られるようになり、あっという間に濃い緑で覆われてしまいます。

中国も自動車の数が増え、車社会の様相を見せてきました。大都市だけでなく、ここ広東省の工場団地の町でもコンテナ車だけでなくタクシーも自家用車も増えてきました。町の交差点には信号器が設置され、横断歩道の縞模様も出来ました。しかし、一般の人の交通に対する考え方はそう急に変わるものではないのか、相変わらず車はクラクションを鳴らし、前の車・自転車・人を追い散らして進んで行き、歩行者は車の隙間を縫って道路を横断しています。そこには、車の所有者=特権階級が、(車をもてない)歩行者=一般階級を、クラクションで押しのける構図が成り立っています。バイクに乗った人でも同じ考えを持っているようで、クラクションを鳴らし歩行者を押しのけて走ります。この状況は、誰もが運転免許を持ち、また車を所有できるようになって初めて、車の特殊性が無くなり、変わってくるのではないかと思われます。

信号器も日本とは少し違い、左折可(右側通行なので)と直進が同時に出ますので、対向車線は其の時は停止信号です。対向車線の左折可と直進が出ると、こちらは停止になります。歩行者は其の間を縫ってわたります。歩行者専用信号がありますが、あてにならない。と言うのもある交差点では左右の車用信号が青(通行可)で、同時に正面の歩行者専用が青になると言う恐ろしい状況になります。うっかり信用して渡っては交通事故間違いありません。また、ある交差点では青信号になって渡り始めると、直ぐに赤になります。ほんの数秒です。これでは、ダッシュの名人でなければ渡り切ることは不可能です。

ですから、信号機の遵守状況は極めて悪く、歩行者も運転者も殆ど無視しています。唯一の例外はカメラの設置された交差点です。運転者はこの交差点だけはよく守っています。日曜日などには、大勢の工場労働者が休みになって路上にあふれてきます。みなが我先にと道路を横断するため、ただでさえ混雑しがちな交差点は大渋滞を引き起こします。そんな状況でも意外と交通事故は少なく、救急車や、事故現場を見ることは余りありません。それぞれが、自己責任において行動するお国柄でしょうか?以上、中国交通事情の一端でした。