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第83回 2007/9/01
残暑お見舞い申し上げます

この8月は、なんとも記録的な暑さの続いたまさに猛暑でしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。通常、夏が過ぎて秋の気配が漂い始める頃として「立秋」(2007年は8月8日)といわれますが、立秋を一週間も過ぎた、8月16日、関東内部(埼玉県熊谷市、群馬県館林市)と岐阜県美濃市では、40度を越える暑さとなり、何と74年ぶりに国内最高気温が記録されたほどです。立秋以降の猛暑を「残暑」と呼びますが、まさに今年は残暑が強烈でした。

この猛暑の夏最中、久しぶりに我が家で懐かしいクマゼミの声を聞きました。「シャー・シャー」という独特の鳴き声で間違いようもありません。このクマゼミ、本来西日本一帯を含む東アジア亜熱帯地域に生息するといわれ、私が育ちました九州では普通に見掛けたものでしたが、関東地方に住むようになって30年以上が経ちますが、この夏初めて聞くことができました。データーでは、1990年くらいから関東地方でも次第にこの独特の強烈な鳴き声を聞くことが増えてきているようです。(ちなみに、セミはカメムシ目に属し、広い意味でカメムシの仲間です)

他方で、CECの本拠地さいたま市の農耕地では、シロハラクイナが二度目の育雛に成功。昨年の2羽に続いて、本年は4羽が若鳥として成長しているようです(そのうちの1羽は目下不明とされていますが)。このシロハラクイナは、本来先にあげましたクマゼミよりもっと南の、沖縄を含む南西諸島を中心に生息しているツル目クイナ科の野鳥です。次第に北方へ生息域を広げているとの一般的な情報が、各種の野鳥図鑑に記載されていますが、一挙に埼玉県さいたま市で営巣、育雛が確認されたことはちょっとした驚きです。真夏に撮影した、昨年生まれのシロハラクイナ(左)と今年生まれのシロハラクイナ(右)です。

ウツギ

こうした南方系の生き物が、次第に北方でも見られるということが、単純に生息域を拡大しているということなのかどうかは簡単に結論を出せないところです。ただ、地球全体が温暖化しつつある傾向にあることは否定しようもない事実です。動物だけでなく、植物においても、この大きな地球の変化に対する対応が私たちの目に触れないところで始まっていると覚悟しておくべきなのでしょう。

しかし、この暑さにもかかわらず、海辺を良く見ていますと丁度この立秋のあたりから秋の渡り鳥が目立つようになってきました(北極圏から南方へ移動するもの、またその逆に南の亜熱帯圏から越冬地へ向かうもの、この双方がこの時期観察されます)。鳥の渡りに関わるさまざまな『謎』は、未だ完全に分析されたわけではないようですが、野鳥の渡りが気温によって動機付けられるものでないことを示しているようにも思えます。

8月8日の立秋に対して、気候を表す暦で、9月8日と、その日から秋分までの期間は白露(はくろ)と呼ばれます。これは秋の気配が濃厚となり、朝晩の涼しさに野辺の草花に露が宿り、光に白く光ることから命名されたようです。太陰暦の時代に、季節を表示するために考え出されたものが「二十四節気」。こうした言葉は、この「二十四節気」に規定されています。秋は、立秋から始まり、処暑(しょしょ、8月23日前後)そして白露、秋分と移っていくのですが、なんとなく風流を感じさせる語感ではありませんか。

少しずつ朝晩の涼しさが感じられます。じっと家の中にいて、炎天下を避ける必要も次第になくなってきました。活動開始の時期です。CECとしても、来月初旬(10/5〜10/7)の東京インターナショナル・オーディオショウに向け、この9月にはかなりピッチを上げて準備作業を進めなければなりません。来月のこの「独り言」のコラムでは、どのような製品を出品できるか、ご紹介できることと思います。どうかお楽しみにお待ちください。