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第64回 2006/02/01

2006年も最初の一ヶ月を経過しました。皆様方にとりましては、どのようなお正月だったでしょうか。関東地方は、急な寒気団の来襲で、私の周辺にも風邪を引かれている方がかなりいらっしゃいます。またこの冬には降雪地域での死傷者が記録的であるとも報じられております。何卒十分気をつけてこの寒気に立ち向かってください。

恒例のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー、CESが1月5日から8日まで米国ラスベガス(ネバダ州)にて開催されました。公式日本サイトでは、国際家電ショーと呼称されています。参加してみての実感として、かなり参加者の多かった昨年(2005年)と比べて少なくとも大幅に減ってはいないだろうと思っておりましたが、CES事務局の発表では、これまでの記録を書き換える盛況ぶりだったとのことです。参加者総数15万人、展示メーカー、ディストリビューター2,500社。

日本の家電、オーディオ・ビデオ関係の報道各社がこのCESの詳細については既に報道されていることと思います。私にとって印象深かったことは、まず第1にハイエンド・オーディオ専用の展示会場、アレクシス・パークでの出品社数がこれまでになく多かったことです。これは恐らく米国のハイエンド・オーディオ界が盛況の兆しを見せているということよりも、むしろ世界的にハイエンド・オーディオが停滞を続ける中で、米国の一般的な景気の好調さに活路を見出そうと、これまで北米市場に進出してこなかったメーカー、もしくはそれほど力を入れてこなかったメーカーが集まってきたのではないかと憶測されます。「細く、長く」生きながらえることが非常に困難な北米市場で、新たに登場した、世界各国のハイエンド・ブランドがどのように奮闘できるか、来年のアレクシス・パークでその結論の一部を垣間見ることができるでしょう。

IT産業が、弱電業界をリードし始めて数年を経ました。この間、パソコンの生産拠点は台湾から中国へと急激にシフトして行きました。今回印象深かったことの第2は、これまで生産加工地域でしかなかったこうした国自身が作り上げたオリジナリティを持った製品を、展示会場で見かけることが増えてきたことです。ハードウェアーのソフト部分を巡る世界的な競争が開始されている感を強くしております。まだまだソフトウェアー自体は、米国や日本など限られた国の技術的なリードに、追いかける国々の足音は聞こえてきません。しかしこれとて、時間の問題。いかに知恵を振り絞って、新しい視点を持って、開発に取り組めるか、この一点に私たちの命運はかかっているようです。

米国からの帰国後、急ぎ足で中国、香港、台湾と回ってきました。これは、今年の旧暦では、1月29日が正月となり、その前後ほぼ1週間、合計2週間ほどが中国圏では正月休暇に入るためです。今回上海では、実用化され、運用されている中では、世界最速を誇るマグレブ(超電導リニア=超電導磁気浮上鉄道)に初めて乗車してみました。上海市内では郊外にあたる、龍陽路駅から、新空港である上海浦東国際空港までの33kmを最速430km/hで走り、8分ばかりで到着します。思ったほどの揺れもなく、あっという間に着いてしまいます。これは上海市が、ドイツのSiemensとTissen社との契約に基づき、トランスビット磁気浮上列車を導入したことによるものですが、IBMと中国メーカーとの契約にも現れているように、中国の挑戦は続きます。恐らく将来自国の開発による路線の延長化、新設化を視野に入れた、中国の先進国といわれる世界への技術的な挑戦の第一歩でしょう。

リニアモーター

最後に立ち寄った台北では、うれしいニュースがありました。台湾では権威あるオーディオ誌の2006年のグランプリとして、当社のTL51XZが選ばれたということでした。生まれたばかりの、画期的なベルトドライブCDプレーヤーとトランスポートが評価され始めたのは、まず米国であり、その次が台湾でした。それから10年以上を経た今日、その台湾オーディオ界で再度評価を得たことは、私たちの今後の開発努力の何よりもの励ましともなります。

TL51XZ受賞

2006年は始まったばかりです。皆様のCECに対するご期待に何とか応えていきたいと思っております。どうぞ今後ともご遠慮のないご意見、ご指導をいただけますようお願いいたします。それらを何よりの励みとして社員一同頑張ってまいります。