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第27回 2003/1/01

皆様、2003年の新春のお祝いを申し上げます。おかげさまで、新生CECも、これで4期目を迎えることができました。当社と当社製品をお引き立てていただいた皆様に、心から感謝申し上げると同時に、皆様とご家族のこれからの1年間がご多幸に満ちた日々であられんことを心からお祈り申し上げます。昨2002年は気候的にも、また、政治的にも、そしてスポーツのイベント上も大変な激動を感じさせる年であったように思われます。

櫻の開花は、例年に3週間以上も先行し、櫻吹雪の中の入学式といった風情から一転、関東地方では葉桜の中の入学式でした。また、台風の発生(1月)、日本への上陸(7月)もこれまでになく早く、また3度にもわたって関東地方に台風の上陸が報じられました。更に、師走を前に、11月の初雪が積雪し、首都圏の交通網を一夜にして麻痺状態に陥れました。世界気象機関(WMO)の発表によると、2002年の世界の平均気温は、摂氏14.5度で、ここ150年余りで2番目の高さになるとの予測発表(12月17日)は、環境問題、地球温暖化の話題が取りざたされる中、なんとも不気味です。

他方、日本の政治では、北朝鮮による拉致問題が、小泉首相訪朝を機に一挙に政治の表舞台にスポットライトを浴びることとなりました。従来の外務省の対応の是非、既往のこれに関わった政党の倫理が根底から質され、未だに解決の糸口を見つけようと、政治的な混沌状態を脱しきれておりません。現内閣の旗頭であったはずの「構造改革」も、具体的な実施要綱に入ると与党連立政権内部の確執を浮上させるばかり、対する野党の混乱は、年明け以降の展望さえも期待することは、とてもできそうにありません。

2月に開始された、アメリカ、ソルトレークでの冬季オリンピックゲームに始まった昨年のスポーツ界は、ついで5月31日からの日韓共同開催のFIFAワールドカップへと世界の耳目を集めていきました。ソルトレークでは、銀、銅それぞれ1個づつのメダルしかとれなかった日本は、ここで予想以上に活躍、予選を1位通過、決勝トーナメントまで進出しました。また、共同開催国、韓国のベスト4進出は、ジャッジ上の疑問を残したにせよ、これまで1勝もできなかった屈辱を一挙に晴らし、驚嘆を持って世界から受け止められたことは未だ記憶に新しいところです。

こうしてみますと、2002年は、安定した穏やかな日々とは程遠い、変化に富み、流動的であり、予想もしなかった事態が表舞台に踊りだし、この中から本年の傾向を探り当てようとすることができないほどの、混沌とした一年間であったように思われます。ただ唯一の希望は、読売巨人軍の主力バッター・松井秀喜選手が、日本でのプロスポーツ選手としては、推定されるところ最高の収入と最も国民的人気のあると評判の球団を捨てて、米国メジャーリーグ(Major League)に挑戦しようとする、颯爽たる決断でした。なかなか日本の若者も捨てたものではありません。

さて、ケイオスの中に一筋の光のともった2002年から新しい2003年へと入ってきました。時代の流れは速く、流行は日々変化するかのように見えます。しかし、音楽を聴く手段や方法に広い可能性が出てきたとはいうものの、音楽を聴き、人生の楽しみとする人間のあり方そのものには本質的に何の変化もあるようには思えません。私どもCECの実力では、短期間に、時流に乗った製品を次々に開発することはできません。急流の中で、あたかも静かにとまっているかのように見えても、実は、より味わい深く音楽を楽しむ機器を、じっくりと開発を続けていく、この姿勢を本年もCECは継続してまいる所存です。どうか皆様方の変わらぬご支援を本年も賜れますようよろしくお願い申し上げます。