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第18回 2002/4/01

気象庁の記録にないほどの、早い桜開花のニュースがTV画面を、新聞紙面を賑わせています。ここ埼玉県さいたま市でも、3月20日前後の咲き始めから、あっという間に3月22、23日には満開となり、24日の日曜日には、ちらほらと散り始めました。例年より1週間以上早い桜前線の活動です。どうした環境の変化によるものに起因しているのかわかりませんが、最近よく語られる地球温暖化等の環境変化(劣化)を考慮しますと、必ずしも早く暖かくなることは良いことだ、とは手放しで喜べない気がいたします。

さて、4月です。学業を修了され、新たに社会人として一歩を踏み出そうとされる方々も多いのではないでしょうか。私が大学を卒業し、CECの前身である中央電機株式会社に入社したのは、早いもので、今から31年前の1971年(昭和46年)のことでした。

大学では学んでいなかったことで、社会人となって初めてわかったことが二つありました。同時入社した他の方々(残念ながら一人も今現在残っていませんが)は、既に理解できていたことなのかもしれませんが。そのうちの一つは、取引する法人格に敬称をつけるということです。

学生時代には、例えばトヨタ自動車、明治保険などのさまざまな法人に、敬称をつけることなど考えつきもしれませんでした。私が最初に赴任したのが、営業課で、メーカー関係の担当を拝命しました。当時の大きな取引先は、ソニーと山水電気の2社でした。先輩が電話で、「ソニーさん」若しくは、「山水電気さん」または、よりかしこまって、「ソニー様」と話し掛けるのを聞いたときには、ずいぶんと違和感を感じたものです。

もう一つは、他社と話をする際、自社のスタッフに対しては、そのスタッフが自分の上司であっても、自社を謙り、敬称をつけないということです。例えば、私の上司である、課長の名前が佐藤としますと、「佐藤課長いらっしゃいますか」とたずねられれば、「ただいま佐藤は外出しています」と答えなければならないことを、社会生活を始めて、やっと判ったのです。(但し職制上の呼称は問題ありませんが)

社会生活の中で、対外的な関係を常時持つことを義務付けられた職制に就くことができたことは、こうした小さい点ではあれ、学生社会、学生生活とはずいぶん違うものだなと、思いを新たにしたものでした。

学生生活は、ある意味では自己本位で生活することも可能です。しかし一旦就職し、定期的に給与をもらうという契約を結んだ瞬間に、自己本位の考え方は脇にどけざるを得ません。会社を通して社会生活を営む上での様々な制約を一つ一つ自分のものにしながら、なお自分のやるべきこと、やりたいことの信念を維持しながら、新たな社会人となられた皆さんには、日々精進してもらいたいと思うものです。