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第16回 2002/2/01

2002年も如月に入ろうとしています。皆様、如何お正月をお過ごしでしたでしょうか。景気後退の影響で、今回は大変長い正月休暇だった方もいらっしゃったことでしょう。また、時ならぬ大雪に、帰省先からのお戻りが大変だった方もおられたのではないでしょうか。

さて、この2002年の特筆すべき出来事として、欧州での国境を越えた新通貨「ユーロ」の誕生が挙げられます。近代国家が成立以来、人為的に、国家の壁を越えた通貨が創造されたことはまったく初めてのことです。欧州連合に加盟する国家のうち、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、スペイン、フランス、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、ポルトガル、フィンランドの12カ国がこれを、この1月1日から採用しました。

CECの株主総会を1月21日に開催しましたが、その折、株主の一人である、当社の欧州での総販売代理店の社長、ユーゲン・シュティグナー氏から、この通貨を初めて見せてもらいました。地味ではありますが、結構色彩感溢れる紙幣で、 7種類(5、10、20、50、100、200、500)あるそうです。また、コインは8種類(1、2、5、10、20、50ユーロセント、1、2ユーロ)で、面白いのは共通の通貨デザインの裏側は、発行国家毎にデザイン自由となっている点で、もちろんどのデザインでも域内共通使用できる仕組みをとっています。

恐らく、今現在公式にこのユーロ採用を決めていない周辺国家への影響力は日増しに強くなり、例えば旧東欧圏やロシア等の、自国通貨が相対的に強くないと国民から実感されている地域では、実質的に日常経済の場面で使われていくようになることは、想像に難くありません。この共通通貨採用による影響力は、相当なものがあります。純経済的、政治的なことを別にして、卑近な例で、

たとえば、CECの製品を各国毎に価格比較する場合、従来ですと各国通貨の為替相場が変動しますので、単純比較は不可能でした。共通通貨になりますと、一目瞭然です。各国が採用する付加価値税の差だけが、価格差となるはずです。例えばフランスの付加価値税は18.6%であるのに対して、ドイツは15%です。もしドイツで、100ユーロで販売されている製品は、フランスでは103.6ユーロであるのが適切であるはずです。

こうして欧州の消費者は、少なくとも12ヶ国の内部で販売される商品が、相対的に適切であるかどうかを知ることができますし、もし価格差が、付加価値税の差以上であれば、安い地域で品物を購入するという選択も可能となりました。既にオランダでは、2月1日から自国通貨を廃止し、ユーロだけの採用を発表しています。また、ドイツでも4月1日からこれに倣うようです。

CECでも、3月中旬に欧州各国のディストリビューターをドイツ、ハンブルグに召集し、新製品の発表だけでなく、このユーロ導入による新しい流通への模索と、従来の価格差の適正化を再確認するつもりでおります。「構造改革による財政再建」を目指したわが国の新内閣が、利権と理想の狭間に紆余曲折している間に、欧州では国境を越えた世紀の試みが始まっています。

CECもこの歴史の新しい試みに負けないよう、より良い再生音楽の発展のため、製品の新たな構築と、従来製品の更なる品質向上を目指してまいる所存です。